ヨーガ行法の心理学(ヨーガ・スートラ ~ヨーガの八部門の心理学解説~)

  • 1.ヨーガとは?

                                              山口雅彦

     

    大乗仏教の代表的派として中観派と唯識派という大きな派があります。唯識派とは、唯識ヨーガ行派といわれます。
    唯識は仏教の深層心理学と言われていて、その派の名前からもわかるようにヨーガの行を通じて得た瞑想体験の中から心の解明をしていきました。このように、心の解明とヨーガ行というのは関連しています。

  • 2.サンスカーラ

                                              山口雅彦

     

    いつも、ある状況になるとパターン化した決まった行動や心の態度をとってしまう、自分ではそんな態度とりたくないのに・・・・。

  • 3.卑屈さと心のコントロールの関係

                                              山口雅彦

     

    ☆「ヨーガの八部門」

    さあ、それでは自己の真の主として、自己を振り回す習慣化された反応パターンをコントロールするための実践方法である、ヨーガの八部門をみていきましょう。

  • 4.禁戒と心のコントロールの関係

                                                                                        山口雅彦

    それでは、五つの戒と心のコントロールと関連した意味合いをみていきましょう。

    ①非暴力
    他を傷つける心の状態は元々不安定です。他を傷つけるときは、背景に怒り・憎しみがあります。怒りや憎しみに支配された心は調御しがたく、そして、暴力をふるうことにより、心はさらに昂ぶり、後悔の念が生じたりしていっそう不安定になります。

  • 5.知足と縁起と感謝

                                              山口雅彦

    2.<勧戒>

    禁戒というのは、「~してはいけないよ」、というもので、勧戒は「~しなさいよ」というものです。

    禁戒を守らないことで、卑屈さが増すという話をしました。それとは逆に勧戒を実践することは、自己評価を高めます。悪いことをすれば、自己評価が下がり卑屈になり、心は不安定になります。善いことをすれば、自己評価は上がり卑屈さは減り、心は安定します。

     

  • 6.調身・調息・調心

                                              山口雅彦

    よく調身・調息・調心といいます。目に見えない、つかめない心にいきなりアプローチすることは、むずかしいことです。それに比べ身体や呼吸をコントロールすることの方が簡単です。ですから、まず身体・呼吸をコントロールし、それを通して心にアプローチしていきす。調身・調息によって調心をはかるというわけです。

自己成長のセラピー講座

  • この講座について

      このコーナーでは、先日ご紹介しました、宗教心理学担当の、山口雅彦が行なっている講座をご紹介します。

      今回の講座は、「自他の区別を超えて~自己成長のセラピー講座」です。

      山口は、ヨーガ・仏教の教えをユング心理学やトランスパーソナル心理学などにもとづいて研究しているヒプノセラピストで、心理学の講座、カウンセリング、ヒプノ・セラピーなどで癒しのお手伝いをさせていただいています。

      また、ヨーガ行法・瞑想の指導も担当。

      東洋の宗教的伝統技法と西洋のセラピーを融合させる、新たな精神開発の道を探求中。

      今後の課題として、心理学の視点から、オウム問題に対する分析も進めようとしています。

  • 1.講座の名前について

    自他の区別を超えて~自己成長のセラピー講座

                                                                       山口雅彦



      それでは、「自他の区別を超えて ~自己成長のセラピー講座~」をはじめます。

      まず、講座の名前の説明からしたいと思います。  チベットでは、仏教経典の講釈を行うときに経典の名前の説明からはじまります。  その経典がどういうものなのか名前を説明すればわかるということです。

  • 2.トランス・パーソナル心理学とは?

                                                                       山口雅彦



    この講座の背景となっている心理学は、トランス・パーソナル心理学という心理学です。 
    トランス・パーソナルとはどういう意味かといいますと、「トランス」とは「超える」、「パーソナル」は「個」という意味です。 

     ですから、トランス・パーソナル心理学を単純に訳すと「超個心理学」「個を超える心理学」となります。
    この場合「個」というのは「個人」「自我」と考えていただいたらいいと思います。
    そうすると「自我を超える心理学」ということになります。

  • 3.トランス・パーソナル心理学の成立過程2

                                                                       山口雅彦



     第二の勢力は、スキナー等の行動主義心理学です。 
     物理学が科学として成立してきたことで、心理学も「科学」として成立させようという人たちがいました。
    しかしそのためには、「心」という目に見えないものを対象にしても客観的科学として成り立ちにくいので、目に見える「行動」(人間の生物機械的側面)を研究対象にしました。
     つまり、科学としての心理学は対象を客観的な行動に限定すべきだとし、人間を生物機械的にとらえ、おもに「刺激-反応」のパターンで理解しようとするものです。

  • 4.第四の勢力、トランス・パーソナル心理学の誕生  

                                                                       山口雅彦

      トランス・パーソナル心理学の成立は、マズローとチェコスロバキアの精神科医スタニスラフ・グロフという人との出会いによって起こりました。
     グロフという人は、LSDを使って意識の研究を行っていました。LSDはスイスのある製薬会社で偶然につくられ、それを服薬することによって統合失調症(分裂病)に近い体験をするので、統合失調症の患者の治療に役立つのではということで、各国の研究施設に送り、研究を依頼しました。
  • 5.カウンター・カルチャー

                                                                       山口雅彦



    「トランス・パーソナル心理学」が生まれた1960年代後半のアメリカは、ベトナム反戦運動、世界中で吹き荒れていた大学紛争、黒人公民権運動など、それまでの体制に対する反体制の動きが、大きなうねりとなってアメリカ社会に吹き荒れていました。
    「ヒッピー」が生まれ、それまでの社会の偽善への反抗からドラッグやフリーセックスにはしり、エクスタシーの解放を叫びました。
    その経験から、エクスタシー=自己を超える意識状態であることを彼らは認識しました。 

  • 6.トランスパーソナル心理学の理論家 ケン・ウィルバー

                                                                       山口雅彦



     ケン・ウィルバーという人は、トランスパーソナル心理学の理論家として有名です。
    1949年アメリカのオクラホマ州生まれで、大学では医学から生化学に転じて、その後、広範囲にわたる学問分野を独学でマスターしました。

  • 7.意識のスペクトル

                                                                       山口雅彦



    「意識のスペクトル理論」はケン・ウィルバーが唱えた、人間の心の成長(意識の進化)を段階的に表したモデル図です。
    本来、わたしたちの意識というものは、何の制限もないもので、すべてに拡がってすべてと一体化した状態であるといいます。図では「統一意識」「宇宙」と書いてあります。
    しかし、私たちは「これが私だ」といって自分で意識の制限を作って狭めてしまっています。
    その自分の枠を拡げていくこと、自分という意識の制限を拡げていくことが自己の成長、心の成長です。そして、その最終段階がすべてに拡がった意識状態です。

  • 8.苦しみと意識の拡がり

                                                                       山口雅彦

      苦しみと意識の拡がり・幅の関係を考えてみましょう。
    苦しみというのは起った現象・物事を受け入れることができないときに生じます。
      受け入れることができれば、苦しみは生じません。受け入れることができないとき、心は葛藤状況です。
    「自分」はこれがいいと思い、欲してもそれがかなわない状況のとき、それを受け入れれば苦しみは生じません。
      ところが受け入れられず「何でそうなんだ」と現象に反発しているときは苦しみが生じます。
  • 9.スペクトル図と各セラピー

                                                                       山口雅彦



     次に、意識のスペクトルと各セラピーとの関係の図を説明します。

     これまでは、各セラピーはセラピー間において対立的な構図があったのですが、このスペクトル図の優れた点は、各セラピーの違いを段階的なものであると捉えて対立的に見ていないところです。
     各学派は意識の異なった層について言及しているだけであり、どれが正しくてどれが正しくないということではないというスタンスをとったことにあります。
     意識には多重な層があるから、いろんな学派があるのは、意識の違うレベルのことを扱っているからであって、対立するものではないということです。

  • 10.意識の構造図の説明

                                                                       山口雅彦

    ◎ユングの意識図の説明・・・図① 参照

      ここで、意識のスペクトル図の各段階の詳しい説明の前に、私たちの意識の構造について説明しておきます。今後のスペクトル図の各レベルに基づいた講座の内容をより理解するためには必要かと思います。
     
      これから説明する意識の構造はユング心理学を基にしています。
      図を見てください。波線より上の部分が表層意識です。表層意識は意識全体(表層意識・無意識を含めた)の5~10%程度(氷山の一角)と言われています。よく氷山の一角と表現されます。
      この表層意識は論理的、合理的、分析的、功利的、言語的という性質があります。
  • 11.潜在意識

                                                                       山口雅彦



    ◎潜在意識にデータが刻みこまれる過程

      それでは、潜在意識にデータがどのように刻み込まれるかということを、
    年齢をおってお話ししていきましょう。

      0才~3才の間にどのようにデータがインプットされるかといいますと、周囲の大人(主に親)の価値観、習慣、慣習などが、ちょうどテープからテープにそっくりそのままダビングされるように無条件に無選択に刻み込まれます。

  • 12.集合的無意識

                                                                       山口雅彦



    ◎集合的無意識

      普遍的無意識とも言い、この領域は人類が共通して持っている内容(=元型)によって構成されています。ユングは世界中の宗教的象徴、神話、昔話、文学作品、芸術等の研究を通じて、人間の無意識の深層に人類共通のシンボリズム(象徴)が存在することを見出しました。それを元型と呼びました。
    元型とは、心における人間の傾向性・可能性であり、活性化されたときはじめて特有の形式と意味を持って現れる、とユングは言っています。   

  • 13.複数の意識図

                                                                       山口雅彦

      そして、この意識図を一人の意識図でなく三人分の意識図をつなげて描くと図②のようになります。
      集合的無意識の部分でつながっているわけです。私たちは、他とは区別された孤立した存在だと思っていますけれども、そうではなく皆つながっているのです。
      「自己」はAさんの「自己」も、Bさんの「自己」も、Cさんの「自己」も共通な「自己」です。
  • 14.ペルソナ

                                                                       山口雅彦

     意識のスペクトルの図の「仮面のレベル」「ペルソナと影」の境界のところをお話してい きます。 
  • 15.影

                                                                       山口雅彦

    心の中には「光」と「影」の二つの側面があります。それらを含めてひとつの人格が成り立っています。光の側面は自分が受け入れていて他者もそれを知っています(表層意識)。 「影」の部分は主に自分では認めたくなく、他者に対して隠しておきたい部分です。それは、自分の中の気づかない性質(要素)、未発達な性質、受け入れがたい性質(残忍性、怒り、憎しみ等、通常マイナスのもの)、苦手なこと、自信がもてないこと、嫌なことなどです。
  • 16.投影の理論

                                                                       山口雅彦

    切り捨てようとしても、否定しようとしても自分の一部としてありつづける「影」は、機能することをやめません。そして、「光」=仮面(自分)と「影」(他)の戦い・葛藤がはじまります。 つまり、「影」を他人に投影してその他人を嫌悪することになり、その嫌な他人と接触しなければならないという苦しみを経験することになるのです。
  • 17.投影のしくみ

                                                                       山口雅彦



     例えば、非常に潔癖症というか、きれい好きな人がいるとします。一日に三回掃除しないと気がすまないという、そういう人が実際います。そういう人は、どうですか、だらしない人、物を出したら出しっぱなしで片付けない人を見たら、「もう、なんで、片付けないの!」と感情をこめて思うでしょう。
     自分がきちんとしていますから、そうでない人に対して嫌悪が生じます。そういう人に、だらしなさがあなたの「影」であり、あなたはその「影」を投影しているんですよと言っても、「そんなことありません、私だらしなくありません。私にだらしないところありません。だらしなさが自分の「影」とは思えません。」と言うでしょう。

  • 18.影と悪

                                                                       山口雅彦

      ここで、もう少し「影」が作られる心の働きを分析してみましょう。「影」というのは、通常、いわゆる「悪」といわれている要素と言えます。そして、普通、私たちは「悪」を嫌います。それがゆえに「影」が形成されるわけです。 では、何故、「悪」を嫌うのでしょう?
  • 19.影との対話

                                                                       山口雅彦

    では、影の統合をするにはどうしたらいいかということをお話ししていきます。

      ①投影のメカニズムを知ること
      ②自分の否定した要素に気づくこと
      ③受け入れる
  • 20.影の受容とコントロール

                                                                       山口雅彦

      例えば、学校で暴力振るった子がいたとします。先生が頭ごなしに叱りつけたとします。その子はどうでしょう?
    「俺にだって言い分あるんだよ!」って心で反発するでしょう。ですから、そうではなくて、どうしてその子がそういうことをしたのか理解してあげる。「どうしたの?」と。
     
      そうすると「だって、あいつがこうでああで・・・」と言い出す。「そうか、そういうことがあったのか。それで、お前は腹が立って殴っちゃったんだな。その気持ちはわかるけどなあ・・・・」とか言ってると、そのうち「でも、俺もいけなかったんだ。ちょっとやりすぎちゃったと思います」とかなんとか言い出す。人の心理ってそういうものだと思います。
      そうではなくて、「だめじゃないか!お前は!」とか言われたら「なんだよー!」となります。
  • 21.集団的投影

                                                                       山口雅彦

    今までは個人の「影」、投影の話をしてきましたが、ここで集団的投影についてのお話をしたいと思います。
    集団的投影は、文化的・宗教的な偏見や人種差別という形をとって現われます。魔女狩り、ナチスのユダヤ人迫害等がそうです。
    魔女狩りは、投影の真相を如実に表すものです。他者の中にある私たちが嫌うものは、自分の中にあってひそかに嫌っているものだけという真相です。

一般の方のために
ポータルサイト
総合入口ができました。こちらからどうぞ。
動画コーナー
ネット生中継
二十歳からの20年間
3月1日、全国書店で発売中。
ひかりの輪 ネット道場
どなたでも、道場でご提供している教えや修行法を、ネットを通じてご自宅から学んでいただけます。
「ひかりの輪」代表 上祐史浩オフィシャルサイト