11.潜在意識
山口雅彦
◎潜在意識にデータが刻みこまれる過程
それでは、潜在意識にデータがどのように刻み込まれるかということを、
年齢をおってお話ししていきましょう。
0才~3才の間にどのようにデータがインプットされるかといいますと、周囲の大人(主に親)の価値観、習慣、慣習などが、ちょうどテープからテープにそっくりそのままダビングされるように無条件に無選択に刻み込まれます。
このようなことを経験したことがある人も多いのではないかと思います。ある程度大きくなって親の嫌なところを見て「自分はああいうふうにはならないようにしよう」と思っていたけれども、自分も大人になって同じことをしていることに気づいて愕然としたと。
表層意識で「そうしないようにしよう」と思っても、すでに潜在意識にインプットされていると表層意識に反してある行動をとってしまうというわけです。
4歳以降になると、その刻み込まれ方というのは、自分が経験する一つ一つの現象をどう捉えるか、どう受け取るかによって決まってきます。経験する事実をプラスに受け取ればプラスにインプットされ、マイナスに受け取ればマイナスにインプットされます。事実がいいか、悪いかではなく、それをどう捉えるかの問題です。
例をあげてみましょう。
小学校の授業で「この問題わかる人?」と先生がいったと、「はい!」と手を挙げました。「○○さん」と当たった。「△△です」と答えると、その答えがあまりにも見当違いでおもしろかったので教室中、大笑いしたと。先生までね、つい笑ってしまったと。さあ、このときその子がこの事実をどのように捉えるか。
「こんな問題もできなくて皆に笑われちゃった。恥ずかしい。なんて私はダメなんだろう」と思ったら、マイナスにインプットされる。「私はダメ」と刻み込まれわけです。逆に「あれ、俺クラスの人気者になっちゃった。皆の笑いとっちゃった。」と受け取ったら、プラスにインプットされると。
このように一つ一つの経験する物事をプラスあるいはマイナスに刻み込んでいきます。ここで大切なことは、起きた事実がプラスとかマイナスということではなく、あくまでもその事実をプラスに捉えたか、マイナスに捉えたかという「捉え方」「受け取り方」の問題だということです。
そして、その積み重ねが物事に対して肯定的か・否定的かという傾向を決めていきます。
今の子供の例で、プラスに捉えた子とマイナスに捉えた子が、その後の経験でさらにそれ
ぞれの傾向を強く刻み込んで一方の傾向だけがかなり強くなったとしましょう。
例ですから単純化します。その子が大人になってから、その潜在意識に刻み込まれているものがどのように影響するかみていきましょう。
プラスの傾向が強く刻みこまれている子(人)は、自分に「自信」というものがあります。
「自信」という本当の意味は「自分を信じる(ことができる)」という意味です。けして傲慢ということではありません。本当の意味での「自信」が刻み込まれている。
もう一方、マイナスの傾向が強く刻みこまれている子(人)は、「自信」がありません。
「私はダメ」が強く刻みこまれています。
この二人の人が大人になって仕事をしていますと。職場で上司に誉められるというシチエーションを想定します。
「やあ、君、最近よくがんばっているね。業績あがってるじゃないか。素晴らしいねえ。これからもがんばってくれよ。」と。
さあ、この同じスチエーションでそれぞれどう反応するかといいますと、まず、自分に対しての捉え方がプラスに刻みこまれている人、つまり、正しい意味で「自信」を持っている人は、「誉められちゃったよ。今までがんばってきてよかったなあ。これからもがんばろう」と。素直に、肯定的に受け取るわけです。
一方、「私はダメ」と強く刻み込まれている人は、自分を素晴らしいなんて思えませんから「うまいこと言って、どうせこき使おうとしてるんだろ」と、せっかく誉められたことに対しても素直に受け取れないわけです。跳ね返してしまうわけですね。
今度は、上司に叱られるというシチエーションを考えてみましょう。「君、いったいこの仕事何年やってんの? こんな簡単なことでミスして。本当にどうしようもないね。」と。
今度はそれぞれどのように反応するでしょうか。だいたい皆さんもうお分かりになってらっしゃると思いますが。まず、プラスに捉えている人は、「確かに、つまらないところでミスしてしまったな。不注意だったな。これからは気をつけよう」と、前向きに捉えられるわけですね。
では、「私はダメ」と強く刻印されている人はどうかというと、「あーあ、やっぱり俺はダメな奴だなあ。あんなことで失敗するなんて」といって落ち込んでしまう。それだけでなく、「何もあの程度のことであんな言い方しなくてもいいじゃないか。あーあ、やってらんないなあ。」といって帰りに赤ちょうちん、なんてことになるかもしれません。
大人になって否定的な自分を直そうと表層の意識で思ってもなかなか直らないのは、このように小さい頃から潜在意識に繰り返し刻みつけられてきた傾向が表層意識に影響を与え
ているからです。
潜在意識の力は、表層意識の100倍とも1000倍とも言われています。
ですからそれを直していくには、潜在意識にアプローチしていく必要があります。
潜在意識に刻み込まれている要素を消す、あるいは塗り替える必要があります。きれいにしていく、心の質を変えていくということです。
そのためには、セラピーや瞑想(ヨガも含め)といったものを行なっていくことが必要です。







