【2月21日 京都レポート1】神護寺――薬師の霊場、空海・最澄ゆかりの日本仏教史上の重要寺院
先日、ひかりの輪では、2月21日~22日の2日間にかけて、京都・奈良の寺社を巡る聖地巡礼を行いました。
昨年10月の戸隠巡礼以来でしたので、しばらくぶりに日本の聖地・寺社に触れることができ、あらためて、心洗われる思いがし、聖地巡礼のありがたさを感じる旅となりました。
今回は、『弥勒・薬師・観音・阿弥陀--唯識・平等心の聖地を巡る』というテーマを掲げての巡礼だったのですが、昨年の夏以降、ひかりの輪で体系的に説かれてきた教えである、唯識思想や平等心の教えと関連するお寺を中心に、弥勒菩薩・薬師如来・観音菩薩・阿弥陀如来ゆかりの聖地を巡礼しました。
そして、それらの聖地を体感しながら、今まで学んできた教えを学び、深めるとともに、各巡礼地にて祈りを捧げた旅となりました。
メンバーは、在家の会員さんやスタッフや、一般の方をあわせて四十数名での巡礼となりました。
さっそくレポートさせていただきます。
●小雪ちらつく神護寺の幽玄
朝8時前に、最初の巡礼地である神護寺(じんごじ)に到着すると、小雪がちらついておりました。
ここは、京都市街の北西、愛宕山(924メートル)山系の高雄山の中腹に位置する山岳寺院です。山中の静かさに加え、ひらひらと舞う小雪が幽玄さを増し、なんともいえない雰囲気を醸し出しています。
見ているだけで、心が静まっていくような心持ちがします。
一昨年、昨年と、雪の舞う比叡山や高野山を訪れたときのことが思い出されました。
車を降りて歩を進めると、清滝川に架かる高雄橋から、美しい風景が広がっています。ここは秋には紅葉の名所として、たいへんな賑わいとなるそうです。
●神護寺--薬師の霊場、空海・最澄ゆかりの日本仏教史上の重要寺院
このお寺の宗派は、高野山真言宗に属しており、ご本尊として国宝・薬師如来がまつられています。西国薬師四十九霊場の第四十四番の霊場でもあり、薬師信仰の場です。
歴史的には、和気清麻呂(733-799)によって8世紀末頃に建てられた寺「神願寺」(宇佐八幡の神意に基づいて建てた寺の意)と「高雄山寺」が、824年に事実上合併してできた寺とされています。
さて、神護寺は、日本仏教史上、重要な寺院ということができます。
812年、空海が、東寺や高野山の経営に当たる前に一時住し、密教の灌頂を行った寺であり、また、比叡山の最澄も、802年、ここで法華経の講義を行うなどしました。
政治と癒着して堕落し始めていた奈良仏教を刷新し、新しい平安時代の仏教--つまり本格的な日本仏教が始まっていった記念すべき寺院です。
わたしたちは、山中の長い参道を、休み休み、しばらく登っていきました。
●唯識を学び、音楽を捧げる
山門をくぐり、境内に入ります。諸堂宇を参拝しながら、歩いていきました。
そして、たいへん美しい場所に到着しました。眼下に深い谷間を流れる清滝川と、遥かな山並みが広がっています。
ここでは、大乗仏教の唯識の教え--眼前に広がる広大な光景も、実はわたしたちの脳内に映った影像であるという観点から、上祐代表によって唯識の基本的な教えが説かれました。
唯識の教えは、「唯」「識」の文字が示すように、個人にとってのあらゆる諸存在が、唯(ただ)、八種類の個人の「識」によって成り立っているにすぎないとする大乗仏教の見解です。
巡礼しながら、唯識の教えを学び深めることが今回の一つのテーマともなっており、皆で美しい風景を眺めながら、しばし瞑想を深めました。
そして、眼下に広がるこの美しい風景の前で、持ち込んだいくつかの楽器で「水の神」と「虹の神」という歌を演奏し、みなで歌って、大自然への感謝の気持ちを、土地の神仏に捧げました。
●多宝塔--国宝・五大虚空像菩薩像
その後、国宝・五大虚空像菩薩像がまつられている多宝塔を参拝しました。五大虚空像菩薩は、最近ひかりの輪でも学んでいる大日如来を中心とした五智如来の化身とされています。
多宝塔
●金堂--国宝・薬師如来像
朝9時になると、ご本尊が安置されている金堂が開きましたので、皆で国宝・薬師如来にお参りしました。
まずは金堂の前で、お香を捧げました。
金堂
平安時代に造られたこの薬師如来像は、お寺の説明によれば、
「当時の天然痘の流行、相次ぐ貴族間の権力抗争、天変地異、飢饉という数々の社会不安を抱えていた日本の苦悩を、すべてここに凝集したような迫力のある表現となっている。......精神性の表現を不可欠とする宗教彫刻に独自の境地を開いた類いまれなる名作」
とされています。
薬師如来はライトアップされて、神秘的な姿を現していました。
わたしたちは、薬師如来の近くまで歩み寄り、争い、傷ついている地球、世界の平和と、すべての傷つき、苦しんでいる人の苦しみが、薬師如来の慈悲によって癒されるように、そしてわたしたちも薬師如来のように、わたしたちにできる償いをなすことができるように、祈りを捧げました。
ほかにも、お堂に祀られていた弁財天女、お地蔵さま、如意輪観音などを参拝し、もと来た道を下って山を下っていきました。
東京や大阪などの都会から来たわたしたちは、このような山中にある古寺の静けさに触れ、とても落ち着いた気持ちになり、神護寺を後にしました。






