その2 薬師如来、恵みの高湯
まず最初に、薬師如来が祀られている、高湯温泉という温泉へと向かいました。
実はここは、「東北の草津」とも呼ばれる、知る人ぞ知る秘湯なのです。
会津の中で、薬効と信仰の結びついた温泉を調べたところ、巡り合った温泉でした。
雪がきらきらと輝く山あいをゆっくり登っていくと、小高い山の上に、その温泉地はありました。
豪雪地帯だけあって、昨夜雪だったということで、3月となった今も、あたり一面雪景色です。ですが、その日は幸運にも、よく晴れていたので、寒さも厳しくなく、すがすがしいよい天気でした。(2日前に下見に行ったときは吹雪で大変でした。)
まずは、この温泉地を守護しているという、温泉神社を参拝しました。祠はほとんど雪に埋もれてしまっています。
(雪に埋もれた)温泉神社
そして、雪の階段を上り、この高湯の開湯伝説にゆかりの「薬師堂」をお参りしました。(先発で着いた2人の雪かき隊が、道なき道を、長靴で歩いて道を作ってくれていました。ありがとう。)
薬師堂
雪道を上る
小さなお堂の中は、畳が敷いてあり、数人が座ってお参りできるようになっています。真ん中には、薬師如来の像が祀られていて、素朴ながらも大切にされているお堂のように感じられました。
お堂に祀られていた薬師如来
そこで、笛の音による音楽と、お香の供養をさせていただきました。
そして早速、温泉です。薬師如来の恵み湧き出るこの温泉は、乳白色とエメラルドグリーンの混じった美しい色をしています。温度も高温でちょうどよく、たいへん疲労回復の効果があり、みなさん疲れがとれたと満足げな様子でした。
温泉施設に、展示場があり、修験道の行者が使う法螺貝や天狗のお面などの品が展示されていました。ここはかつて、修験の聖地でもあったそうです。会津磐梯山と、吾妻山がセットとなった山岳信仰だということでした。
●高湯開湯伝説役行者のお告げ
それと関係しているのでしょうか、この地には、修験道の開祖、役行者にちなんだ伝説が残されています。今年で開湯400年の歴史を持つこの温泉に伝わる、開湯伝説です。
菅野国安という武家の生まれの者が、父の遺言を果たすために、武家を復興させようと、旅をしていたときのことです。
その旅の途上で、霊験あらたかな夢を見ました。
時を超えて、尺杖を持った役行者が現れ、
「吾、汝を待つことすでに久しい。汝、我が教えを守るべし。」
「武門の誉れを目指すのではなく、温泉を発見して多くの人の難病を救うべし。」
「諸病の根を絶やさんこと、仏神の加護する所なるべし。疑うなかれ。」
「是れ我が宿願なり。」
「この経、心経を一心に読誦するときは、心願成就せずということなし。」
戸惑いを振り払い、武士の誉れを捨て、人々のためにと、そのお告げのとおりの場所を探して旅に出ました。すると、まさにその風景のところにたどり着き、その「心経」を一心に読誦すると、なんと温泉が噴き出したそうです。
お礼として、祀ったのが、この地の薬師堂だそうです。
~次回のレポートは、「会津磐梯山と虹の神」へとつづきます。






