このコーナーについて
書籍・対談・取材をご紹介
このコーナーでは、ひかりの輪の指導員スタッフによる活動をご紹介します。
・書籍の刊行、書籍の執筆のご協力/トークイベントやテレビ出演・講演
・テレビ、新聞、雑誌等のインタビュー取材など/をご紹介していきます。
●ひかりの輪代表・上祐史浩の活動については、
>>上祐史浩オフィシャルサイト「プロフィール」をご参照ください。
書籍一覧
上祐史浩の著作一覧
宗形真紀子『二十歳からの20年間――“オウムの青春”の魔境を超えて』(三五館)
2010年2月24日発売
苦しみを作ったのは私、苦しみから脱け出すのも私...。
20歳の時にオウム真理教に出家、2007年に脱会した元オウム信者である著者が、自らの精神と深く向き合った心性ノンフィクション。
二十歳からの20年間--それはまさに、精神の変遷の歴史。
幼少より感受性が強く心の扱いに悩んでいた少女は、二十歳のとき、
「救われたい・生きる意味を知りたい」という一心で、
すべてを捨ててオウムに出家します。
しかし、少女の運命はオウムによって翻弄され、
1995年、ついに地下鉄サリン事件が起こるのです--。
→ こちらAmazonで購入できます。
(以下、三五館書籍紹介ページより転載)
◎魔境という名の青春
少女を待っていたのは、オウム特有の「グルイズム」(=麻原絶対主義)と「マハームドラー」(=与えられた試練を超える修行)でした。
薬物人体実験をはじめとする数々の無理難題について、「おかしい」と思う一方で、「帰依を続けなければ」と考える精神の葛藤が痛々しいまでに描き出されます。
そして、地下鉄サリン事件--身に覚えのない容疑での自身の逮捕に至ってもなお、彼女はオウムと決別できないまま、8年もの年月を過ごします。
しかし、日本各地の聖地を巡り、自然に回帰することによって、「憑き物が落ちる瞬間」を体験、苦しみを作り出したのも、その苦しみから抜け出していくの も、自分の心なのだという当たり前の結論にたどり着いたのです(2007年にアレフ脱会)。
自らの精神と深く向き合ったことで書くことが可能となった「心性ノンフィクション」といえます。
◎目次以下に、細かな目次を載せました。
内容がおおよそわかるようになっています。
ぜひ、書籍をお手にとっていただき、実態を知っていただけたらと切に願います。
はじめに
第一章 霊的体験と、生きることへの悩み
--二十歳でオウムに入った背景(一九六八~一九八九)
打ち砕かれた、傲慢な思い込み
三歳までの心の衝撃
自然の中ですごした幼少期
「わたしは悪い心を持った人だ」
14歳--霊体験での苦しみ
16歳--受け入れられなかった父の死
演技の限界--ノイローゼ・登校拒否と自殺衝動
自殺を救った「湧き起こる強い思い」
翁のような導師を求めて上京する
カフェバーと初めての宗教
女霊能者の先祖供養と人助け
演技のいらない初めての友だち「うめちゃん」
三日三晩連続した夢体験とオウムとの出合い
「自我肥大」という大きな落とし穴
オウム入信と、夢と現実のシンクロニシティ
「神の祝福」体験は、じつは煉獄だった
八八年、オウム真理教への入信
斬新だった初めて知る仏教の教え
「修行に行くから、成人式には出られない」
麻原との初対面と、オウム的思考のはじまり
地球の救済のために出家を決意する
ある神秘体験
グルを切望した理由と、既存仏教への幻滅
傲慢な思い込みにより母を苦しめてきたわたし
八八年から存在していた「救済」の裏の麻原の「野心」
第二章 私を縛り付けていた何か
--サリン事件までの出家生活(一九八九~一九九五)
出家してすぐのリアルな夢
マハームドラーととらえてしまった選挙活動
「グルからの特別扱い」に浮かれ、どんどんおかしくなり始める
最後の呪縛となったグルイズムとマハームドラー
信者と外部の両方に向けられた、麻原と教団の嘘
選挙は本気だったらしいと知る
麻原の陰謀論(被害妄想)と殺人の関係
「ヴァジラヤーナ」という名の大量殺戮の準備がはじまる
「修行の早道」のため、麻原の指示に従おうとする心理
布教の成功を誇らしく思っていた時期
先輩弟子たちとのかかわり
麻原のポアの決意と神格化により、過激に変貌した教団
選民思想の増大と神格化の加速
毒ガスを作りながら「毒ガス攻撃を受けている」との主張がはじまる
麻原による女性信者への支配構造
手段から目的に変貌してしまった「麻原グルイズム」
薬物人体実験を受け入れる
麻原のクローンを作るための究極装置
神秘体験を重視した過ち
麻原に褒められること=修行の目的と成り代わる
薬物(LSD)と温熱修行による成就認定
終末思想や陰謀論と、麻原グルイズムの加速
麻原と合一する観想による、人格破壊の危険性
釈迦牟尼の教えに反し「自己」でなく「グル」が帰依処となる
地下鉄サリン事件直前の、ヴァジラヤーナのお食事会
第三章 絶え間ない葛藤と現実逃避
--地下鉄サリン事件後の五年間(一九九五~二〇〇〇)
地下鉄サリン事件と強制捜査を陰謀ととらえる
誇らしいと思いこんだ逮捕
親しかった幹部の逮捕や自供
「教祖逮捕」を予言の成就ととらえる
坂本弁護士一家の遺体発掘の衝撃
「地獄に堕ちる」という脅し
それでも、退廃的な教団に戻る
「後継者・麻原家三女」への懇願の手紙
秘密の麻原からの獄中メッセージ
麻原初公判と公判傍聴席での不謹慎な修行
破防法弁明手続き意見陳述の改ざん
麻原家三女と自己の神格化
麻原の息子の幼児二人による「猊下体制」
観念崩壊セミナー
「グルの指示」を断れない背景にあるもの
麻原家三女の神格化の過ち
麻原の不規則発言はじまる
教団内外での対立の激化
「一九九九年ハルマゲドン」の予言が外れる
オウム崩壊寸前
第四章 魔境に気づく
--オウム脱会まで(二〇〇一~二〇〇七)
上祐から聞いた告白
新たなアレフ体制が始まる
忘れていた、心の教え
ヴィジョンに基づく「妄想」
ヴィジョンに基づく妄想から来る魔境
自己の潜在的な欲求を投影した、夢によるヴィジョン
自己の潜在的な欲求を投影した「霊的ヴィジョン」の誘惑
ヴィジョンに基づく妄想による破綻--麻原の場合
久しぶりに自然の中へ行き、珍しい虹と出合う
ヴィジョンに基づく妄想を現実に当てはめ出す
日本の聖地に通い始める
ヴィジョンに基づく妄想による破綻--わたしの場合
突然の、教団活動からの排除
虹体験とともに魔境に気づく
神のような虹に導かれていたと気づく
夢の続き--夢と現実のシンクロニシティ
オウム事件の原因である魔境に気づく
さまざまな本から教えられる
事件に関する勉強会と、オウム批判本
オウムで「外道」とされた日本の聖地に導かれる
たくさんの人に助けられる
アレフ信者の上祐への反発の理由
教団改革の続行
オウム・アレフからの脱会
エピローグ --魔境が教えてくれたこと
オウムの総括作業が教えてくれたこと
水の神に助けられる
病気が教えてくれたこと
憑きものが落ちる瞬間
霊や魔物の体験を作り出しているもの
神の体験を作り出しているもの
麻原彰晃とわたしの魔境
内観による自分自身との同調
いままでとこれから
二〇年間の空白と誓い
■著者について
宗形真紀子(むなかた・まきこ)
1968年、静岡県生まれ。感受性ゆえか、幼少期から心の扱いに悩んでいた少女は、
20歳のときオウム真理教に入信。
地下鉄サリン事件後に身に覚えのない容疑で逮捕されるなど、事件の渦中に巻き込まれる。
その後、自らの心と深く向き合う作業による精神の変遷を経て、
2007年、アレフ(オウム真理教の後継団体)を脱会。
幼いころに育まれた大自然に回帰しつつ、執筆・表現活動を行なっている。
munakatamaki@gmail.com
twitter@munakatamaki
facebook
スタッフの著作一覧
ひかりの輪スタッフによる著作および、スタッフがインタビューに応じるなどして刊行に協力した著作の一覧です。
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■単著
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宗形真紀子 著
『二十歳からの20年間--"オウムの青春"の魔境を超えて』(三五館 2010)
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■インタビュー掲載書籍
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『公安を敗北させた男 国松長官狙撃事件』
小野義雄著・産経新聞出版2011年
宗形真紀子のインタビューが掲載。----------------------------------------------------------------------------------------
ひかりの輪の会員2名(スタッフ・会員各1名)
のインタビューが掲載----------------------------------------------------------------------------------------
広末晃敏のインタビューが掲載。
書評
書評(上祐史浩の著作について)
上祐史浩の著作に関し、いただいた識者の方の書評を掲載しました。
>>書評 『危険な宗教の見分け方』 (ポプラ社 対談・田原総一郎氏 2013)
>>書評 『終わらないオウム』 (鹿砦社 鈴木邦男・徐裕行 2013)
>>書評 『オウム事件 17年目の告白』 (扶桑社 2012)
対談・講演・出演等(上祐史浩)
上祐史浩の対談・講演・出演等
◆上祐史浩代表の著作・対談・取材の概要
以下、上祐史浩オフィシャルサイト「プロフィール」をご参照ください。(※以下からリンクでご覧いただけます。)◆写真入りのレポート
また、水野副代表のブログ「水野愛子のつれづれ草」上祐代表等の出演・対談・取材レポートに、多数の写真とともにレポートが掲載されていますので、ご参照下さい。
対談・講演・出演等(広末晃敏)
「自己反省法“内観”によるオウム問題の解決」講演(広末晃敏)
2010年4月25日
「東京セルフ研究会」という30年以上の歴史を持つ市民団体の研修会が、2010年4月に開催した第261回研修会において、広末副代表が講師としてお招きを受けて、講演させていただきました。
東京セルフ研究会とは、日本心身医学の先駆者・池見酉次郎先生(九州大学医学部心療内科初代教授)が1974年に設立した、「本当の自分を見つめ、心身の健康と生き甲斐・幸せを実現するために、共に学び交流するための市民の集い」とされています。
その中の研修会の一つが「人間関係とストローク自主研究会」で、約30年間にわたって、毎月1回、心理学や精神医学など各方面の先生を招いて講演会を開き続けてきました。
広末副代表の講演の際に同会が作成して配付した案内文は、以下のとおりです。
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第261回 人間関係とストローク自主研修会
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< テーマ > 自己反省法「内観」によるオウム問題の解決
--20年ぶりに親子関係を回復した私の体験を通して
内観とは、自分を反省するための浄土真宗系の教団の修業「身調べ」から生まれもので、身調べから宗教的な要素を取り除いて、誰にでも実践可能な自己探求法・自己反省法として70年ほど前に確立されたものです。
これまで、犯罪者更生、更生教育のために、刑務所や少年院等でも指導されてきた実績があり、内観の実践者の再犯率は、実践していない人に比べて約50%に 低下したといわれています。オウム真理教に18年間所属した後、3年前に脱会して、オウムの反省・総括を進める団体「ひかりの輪」を脱会者と共に設立した 私は、昨年、青山学院大学の石井光教授のご指導のもと、内観を実践させていただきました。自分がこれまでの生涯で、
(1)他人からしてもらったこと
(2) 他人にして返したこと
(3) 他人に迷惑をかけたこと
・・・を1つ1つ思い出していくという作業を続けていった結果、両親や社会から受けた多大な恩愛や、自己の身勝手さを心底から思い知らされ、20年ぶりに実家に帰り、親子関係を回復させることができました。
こうした私個人の体験や、私が「ひかりの輪」の多くの会員に行った内観指導の体験を通じていかに内観がオウム真理教の問題解決に有用であるかをお話しさせていただきます。
◆青山学院大学での内観フォーラムで、先生のお話を聴き、涙がポロポロ出て、大感動しましたので(他の人も)、その感動をみなさん方にもお伝えしたく企画しました。(幹事)
< 講 師 > 広末 晃敏 先生
1969年、大阪生まれ。
自己の霊的体験の解決と、人生を生きる意味を求めて、1989年オウム真理教に入信。
翌1990年、仏教大学在学中に、オウム真理教に出家。出家後は、教団内で、建築部、外務部、編集部、広報部、法務部に所属。オウム真理教の過ちと是正を 教団内で訴えるが受け入れられず、2007年3月に脱会。脱会者と共に「ひかりの輪」を設立し、その副代表に就任。オウム問題解決のための反省・総括作業 に取り組んでいる。
[日 時] 平成22年4月25日(日)午後1:30~4:00
[場 所] 京浜東北線「大井町駅」目の前「きゅりあん」 6F中会議室
(丸井の中を通り、奥のエレベーターで会場へお越しください。)
[参加費] 1500円
* どなたでも自由に参加できます。予約の必要はありません。
終了後、毎回懇親会を行っています。気楽にご参加ください。
問い合せ先 (以下略)
広末副代表はこの講演で、自己反省法「内観」を自らが行った体験や、「ひかりの輪」の多数の会員に指導して得られた効果を報告し、内観がオウム事件の反省と総括、再発の防止に極めて有効であることをお話しし、好評を得ました。
「内観体験とオウム問題の解決」講演(広末晃敏)
2009年11月17日
「ひかりの輪」では、オウム真理教の過ちへの反省に基づき、二度と同じ悲劇が繰り返されないよう、その教訓を社会に公表する取り組みを続けてきました。
2009年11月17日には、東京都内で開かれた、自己反省法「内観」の実践者が集う「内観フォーラム」で、広末副代表が、一般市民の方100名ほどを前に、1時間あまりにわたって講演させていただきました。
話の概要は以下の通りでした。
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・Aleph(アレフ)からの脱退と「ひかりの輪」設立の経緯
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・「ひかりの輪」で内観を行うようになった経緯
・内観の先生による「ひかりの輪」への内観指導
・内観の先生のご指導による広末副代表個人の内観体験
・広末副代表が内観の結果、20年ぶりに実家に帰省し、両親と和解したこと、両親のありがたさ等
・内観の実践は、傲慢・不寛容・他への無関心を解消し、オウム問題、カルト問題の解決に寄与すること
この講演中、多くの方が、あちこちで涙を流したり、目を潤ませたりして聞いてくださっていました。
講演終了後、次のような感想が寄せられました。
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「大変良い話をありがとうございました。何か力になれることがあったら言ってください」
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「古い友人と会ったような気がします。他人事には感じられない話でした」
「話を聞くまでは、ひかりの輪とオウムとの違い等がわかりませんでした」
「あなたが日本を愛していることがよくわかりました」
「親の愛情の深さそして有り難さには涙無しでは聞けませんでした。今回のお話で感じたことをこれからの生き方の糧にしていきます」
「内観を通して、人や、何より親の有り難さを感じた。今日ほど内観の凄さ深さを感じられたのは初めてです」
「広末さんも周囲の人たちに勧めているのは素晴らしい。元オウムの方々が間違った方向に再度進まぬよう救われるといいなと思いました」
また、この講演を聴きに来られていた別の市民団体の幹事の方が、「大変いい話でしたので、ぜひうちの団体にも来て話をしてください」と要請をしてこられましたので、引き続き、翌年(2010年)4月にも、広末副代表がその団体で講演をさせていただきました。
今後とも当団体では、オウム事件のような事件の再発を防ぐために、教訓を社会に残していく取り組みに努めていきたいと考えています。
以上「オウムって何?」出演(上祐史浩・広末晃敏)
2010年7月21日
21日、新宿のネイキッド・ロフトにて、上祐代表と広末副代表が生出演したトークショー「オウムとは何か?」を写真でレポートします。
「ネイキッド・ロフト」の入口の看板です。
入口はこんな感じです。
60人の前売りチケットは完売で、店内は満席でした。後ろのほうには、飛び入りの立ち見の方が何人もいらっしゃいました。
同時に行われていたネット生中継の、ニコニコ生放送とUSTREAMの視聴者数が、ロフト史上の記録を更新して3万人を超えたということでした。
司会の岩本太郎氏(右・フリーライター)と、パネリストのお一人鈴木邦夫(左・一水会)氏。
左から、野田成人氏(みどりの家族代表)、ひかりの輪代表・上祐史浩、副代表・広末晃敏。
一番左が、ロフトの席亭・平野悠氏。
平野氏がトークショー専門のライブハウス、ロフトを立ち上げられたのが、15年前のちょうど地下鉄サリン事件の年だったとのことです。その3日後に、事件 が発生し、早速オウムの問題を取り上げられたそうで、ロフトは、オウムとともにあった15年ともいえるとおっしゃっていました。
すごい熱気で、エアコンも効かないほどでした。
途中、今年の3月に発売の、宗形真紀子著『二十歳からの20年間』(三五館)も紹介させていただきました。
入口で本も販売。
質疑応答の時間は、上祐に、会場と、ニコニコ生放送からと両方の質問がたくさん出ました。
上祐の生出演は、事件後初めてのことで、事件やオウムのその後について、普段なかなか聞けないこともあり、直接、聞いてみたいことがたくさんおありだったようでした。
通常22:00くらいまでのところ、23時を回るまで続きました。
鈴木氏や平野氏が「来月もどう?」とおっしゃってくださり、ありがたかったです。
以下で、動画をご覧になれます。(※一週間限定)
前半http://www.ustream.tv/recorded/8415379
後半http://www.ustream.tv/recorded/8416386
ご意見、ご感想などございましたら、koho@hikarinowa.netまでメールをお待ちしております。
----------------------------------------------------------------------------------------◆広報部の広末より
広報部の広末です。
新宿ネイキッドロフトでの以下のトークイベントが無事終わりました。
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平野悠の好奇心・何でも聞いてやろう 「オウムって何?」
ロフトの席亭・平野悠が各界の著名人を招いて贈る
タブー無き突撃トークセッション!
あの「オウム真理教」とは何だったのか?
分裂したとされる各派の幹部たちを招いての
直撃トークセッションを行います!
まさに予測不可能なイベント。乞うご期待!!
【出演】
平野悠(ロフト席亭)
岩本太郎(フリーライター)
【ゲスト】
上祐史浩(「ひかりの輪」代表)
広末晃敏(「ひかりの輪」副代表兼広報部長)
野田成人(元オウム真理教幹部)
鈴木邦男(一水会顧問)
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内容は多岐にわたり、ここに書ききれませんので、ご関心のある方は、以下の動画をご覧下さい(1週間ほどしか掲示されないようなので、ご覧になりたい方はお早めに)。
前半http://www.ustream.tv/recorded/8415379
後半http://www.ustream.tv/recorded/8416386
単純計算すれば、ニコニコ動画とUストリームで、あわせて3万人以上の人が視聴していたらしく、これまでのロフト店舗での催し物としては、史上空前のアクセス数だったそうです。
私も前に座って、観客の皆さんの方を見ていると、すごい熱気で話を聞き込んでくれているという実感が伝わってきました。
* * *
実は、このゲストの面々(上祐氏、野田氏、鈴木氏)とは、長いお付き合いになります。
私がオウムに入信したのは21年前の1989年1月7日。昭和最後の日、つまり昭和天皇崩御の日に入信したのですが、足を運んで入信手続をした場所が、オウム真理教大阪支部。
そのときの大阪支部長が上祐氏。だから、私がオウムに入って初めて面談をしてくれたのが上祐氏。
その後、私は京都の佛教大学に通うために京都に引っ越し、オウム真理教京都支部に通うことになりましたが、京都支部長は野田氏。
だから私は、やがて、野田氏の勧めがあって、オウム真理教に出家。
以後、上祐氏や野田氏のもとで出家のワークをしていた期間も長くあります。
ご両名とは、入信直後からの21年来のお付き合いということになりますが、まさか一般の方をお招きしたこうした会合で、3人揃ってトークをすることになるとは、21年前には思いもよりませんでした。
* * *
さらに言えば、実は、私は10代の頃から「日本を良い国にしたい」という思いから新右翼運動に興味があったので、オウムに入信する前から、鈴木邦男氏の本を読んでいました。
鈴木邦男氏は、肩書きに「一水会顧問」とあるように、新右翼運動の中で名をとどろかせてきた新右翼団体・一水会を創設し、会長を長年務められました。学生時代は全国の右翼学生運動組織のトップにも就任されています。
お若いときは結構暴れ回り、逮捕歴もありますが、現在は、テロや暴力には反対、何事も言論で、話し合いで解決しよう、異なる立場や意見の人の考 えも聞いてみよう、寛容こそ日本の文化だ--というスタンスで、幅広い言論活動を展開し、多数の著作やテレビ出演等をこなされています。
長年の新右翼運動を反省総括した『失敗の愛国心』という本を最近出されており、暴力否定、テロ否定を訴えており、私も読んで感銘を受けました。
そんなわけで、実は、書物の上だけに限って言えば、上祐氏や野田氏以上に、私は鈴木氏と長くお付き合いがあるわけでして、「オウムに入ってなかったら一水会に入ってたかも......」という私のロフトでの発言は、冗談でも何でもなくて、実際真実なのでした。
だから、この組み合わせでのトークライブというのは、私個人にとっては、何だか不思議な因縁を強烈に感じざるをえないんですね。
ちょっと大げさに言えば、少なくとも私の個人史に限ってみても、何か時代の節目といいますか、次の時代が始まっていくのかなあという予感を感じてしまいました。「幸福の科学」関連イベント出演(広末晃敏)
2010年6月3日
さる6月3日、新宿区内で、宗教団体「幸福の科学」幹部の皆さんと、ジャーナリストの有田芳生氏らがトークをする公開イベントが開かれました。
本団体の広末晃敏副代表も、その案内を受けて、一般参加者にまじって参加しました。
「幸福の科学」は、1991年に、同教団を批判する報道をした講談社に対して業務妨害にあたる違法な抗議行動をしたとされており、その過去の違法行為について現在の同教団がどう総括しているのかが、このイベントで話し合われました。
イベントの最後に、広末副代表も司会者から発言を求められましたので、オウムの総括に基づいて、意見を述べてきました。「幸福の科学」にはオウムと同じ過ちを繰り返してほしくない、だからオウムの過ちから学んでほしいという気持ちを込めての発言でした。
その模様が以下のサイトで紹介されていますので、ご参考までに掲示しておきます。
◎イベントの主催者『やや日刊カルト新聞』のページ
◎ 一般参加されたライター架神恭介氏のページ
◎ イベントの模様をリアルタイムに発信したツイッターのページ「これでいいのか政治と宗教」出演(広末晃敏)
2009年7月31日
さる7月31日、ジャーナリスト有志等が主催する「これでいいのか政治と宗教」と題する公開イベントが、新宿で開かれました。
このイベントには、宗教団体「幸福の科学」や創価学会の元幹部、公明党の元国会議員とともに、「ひかりの輪」からは、副代表の広末晃敏がパネリストとして出演しました。
イベントのテーマは、政治に進出する宗教の是非について論じるというものでしたが、広末副代表からは、20年前の衆議院議員選挙に出馬したオウム真理教(真理党)の動きについて、「ひかりの輪」の総括に基づいて報告がありました。
かつてのオウム真理教が、自らが支配する世界を創ろうという「誇大妄想」を抱いたあげく、選挙に敗北して「被害妄想」を強めていき、社会との対立の末に重大事件を引き起こしていった経緯について、映像資料等をまじえて解説しました。
このイベントのことは、最新号の『週刊新潮』(2009年8月13・20日夏季特大号)の169頁に、写真付で報じられました。
今後も「ひかりの輪」は、オウム時代の総括を深め、それを教訓として提示し、二度と同様の事件が起きない社会をつくるお手伝いをすることによって、過去への償いをしていきたいと考えています。
皆さまのご理解・ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
対談・講演・出演等(宗形真紀子)
【動画あり】6月15日宗形真紀子ゲスト出演「占いオカルト談義」と交流会のレポート
(文・宗形)
レジネッタ文庫・酒井さん主催の「占いオカルト談義イベント」から、
第二回、第三回とやろう!ということになりましたので、
はや一週間経ちました。
まだ一週間しか経ってないのか~
と熱もさめやらぬ、
とても濃密な時間でした。
みなさんと話し合っていて、面白く、たいへん興味深かったです。
左から、早見慶子さん、宗形、酒井さん、@美紀さん。
イベントは、おかげさまで好評をいただき、
またよろしくお願いいたしますm(_ _)m
こう、何か、女子会のように女性のみなさんと
スピリチュアルについて語り合うのって面白かったです。
女性ばっかで話し合ったのも初めてで興味深かった。
トークイベントでは、語りきれなかったこともたくさんあったので、
また、みんなで話すことで、掘り下げていきたいと思いました。
イベント会場は、新宿三丁目の繁華街のルノアール。
こうしたトークイベントへの出演は、
じつは生まれて初めてで、しかも、とても個性的そうなメンバーで(わたしもか・・・)
ドキドキだったのですが、
「もう、酒井さんのまな板の鯉になる」
ことに決めたので(笑)、落ち着いてのぞめました。
会場には、友人も何人か来てくれ、
40人近くの集まりとなり、
こうして集まってくださるのは、嬉しいものなのですね。
ちょと感動でした。
そして、ロイ山本さんというプロの
ラジオのパーソナリティーの方が、急きょ
司会をしてくださり、一気にイベントが本格的に見えてびっくり!
まるで何かの番組のようでした。
第一部は、
「スピリチュアル業界の現状」
動画http://www.ustream.tv/recorded/34375785
という興味深いテーマを、
現役占い師銀さん、元占い師・酒井さん、霊能者@波動鑑定士の@美紀先生、
社会活動家のザラストロさんの4名で、率直に語り合う会でした。
一番左がざらすとろさん、銀雷矢さん、酒井さん、
そして波動鑑定士@美紀さん。
そして第二部から、
早見慶子さん(左)と一緒にわたしも登壇させていただき、
女子会のようにスピリチュアルについてのお話が始まりました。「何かが見えるとは?
なぜ見えるの?
見えてしまったらどうしたらよいのか?
クンダリニーって何?
スピリチュアルへの正しい態度とは?」
というような話が深まっていきました。【動画 占いオカルト談義。第二部 その①】
http://www.ustream.tv/recorded/34577445 ...
【動画 占いオカルト談義。第二部 その②】
http://www.ustream.tv/recorded/34576229h ...左から、早見慶子さん、宗形、酒井さん、@美紀さん。
お話しさせていただいて興味深かったのは、
鑑定をしてもらいに来る人たちの話。
霊感みたいのに目覚めて、
どうしたらよいかわからない人が増えているという。
病院に行っても、精神疾患とかうつ病とかにされて
薬漬けにされてしまうという話。
この、精神疾患とスピリチュアリティの境界は
とてもあいまいで、判断が難しい。
それが、クンダリニー症候群という、霊的なエネルギーによる
快不快の症状と関係有るのでは?
というのが、今わたしが一番興味があって、
調べている問題です。
いつから、見えないモノが見えるようになったのか?
いろんな霊的能力が、目覚めてしまうことが起きることがある。
そうした事例から、学んでいきたい。
早見慶子さんがおっしゃっていた
シュタイナーのモラルの話、とても大切だと思いました。
人はスピリチュアルな存在だから、
精神、霊性が暴走しないように、心を成熟させていくこと、
地球の中で、ヒトが暴走せずに、
地球と調和して、謙虚に生きる智慧、
それが、古代の人類の、先住民の方々の智慧だと思っています。
また次回のトークイベントで、
みなさんと話し合って、深めていきたいと思います。
改めて、登壇者のみなさま、ご参加くださった方、どうもありがとうございました。
そして、拙著『二十歳からの20年間--オウムの青春の魔境を超えて』を
買って下さったみなさま、ありがとうございました。
そして、酒井さん、ほんとにありがとう!
終わった後の居酒屋での打ち上げも楽しかったです。
左から、宗形、サングラスで占い師の銀雷矢さん、
ピースサインが、主催者の酒井日香さん、その上がレジネッタ文庫の吉富さん、
右の女性が、作家の早見慶子さん、
右上の男性が、ざらすとろさんと、当日作家デビューされた朧塚さん。
6月15日、宗形真紀子ゲスト出演のお知らせ「宗教とか占いとかの未来を勝手に討論する会」
「宗教とか占いとかの未来を勝手に討論する会」
宗形真紀子(『二十歳からの20年間--"オウムの青春"の魔境を超えて』〔三五館〕著者、ひかりの輪指導員)が、トークイベント「宗教とか占いとかの未来を勝手に討論する会」にゲスト出演いたします。
元(悪徳?)占い師、脱原発運動家、作家、占い師、霊能力者の方々、それに元オウム信者だった宗形も加わり、「宗教とか占いとかの未来を勝手に討論する」という自由な会です。
『二十歳からの20年間』をお読みいただいて、お誘いいただいたのですが、本の中には、苦しい幼少期からの霊体験、不思議な夢の体験、シンクロニシティ、クンダリニー覚醒のお話や、オウムでの過酷な修行体験や神秘体験、精神的心理的地獄から、やっとのことで抜け出したプロセスなどが、詳細に描かれています。
スピリチュアル世界の光と闇、悟りや修行と自我肥大の危険性、霊障、霊体験の原因、クンダリニー症候群など、霊的体験や症状に悩む方々の参考になればと思います。
とても多様な面々の集まりとなりました。
楽しんでご参加いただけたらと思います。
イベント終了後は、居酒屋で懇親会(食事付き飲み会)がありますので、ぜひお話しましょう。
◆イベントの内容・ゲスト
「宗教とか占いとかの未来を勝手に討論する動画撮影会」
主催:レジネッタ文庫 酒井日香
酒井さんのブログでのイベント紹介
1 経緯などhttp://ameblo.jp/sakainichika/entry-11532587350.html
2 詳細http://ameblo.jp/sakainichika/entry-11541233572.html◎司会・撮影・進行
酒井日香(下ユル子・元占い師)http://ameblo.jp/sakainichika/
ざらすとろ(脱原発運動家、社会活動家)◎ゲスト
早見慶子(作家。季刊誌「イチゼロ」主幹)http://hayamikeiko.com/index-1.html
(『カルト漂流記』等著作多数)
銀雷矢 (金沢・気多大社で鑑定中の占い界の重鎮)
@美紀先生(霊能力者。波動鑑定師)宗形真紀子(作家。元オウム真理教信者@現在はひかりの輪スタッフ)
◆日時・場所・料金6月15日(土)17:30~20:30
「宗教とか占いとかの未来を勝手に討論する会」:ルノアールのお茶代のみ※終了後、近くの居酒屋で20:30~23:00(最大)懇親会(食事付き飲み会)あります。
懇親会:2800円(3時間飲み放題パック)
◆場所「喫茶ルノアール 新宿区役所横店」
東京都新宿区歌舞伎町1-3-5 相模ビル1階及び2階
03-3209-6175
予約名 → 「酒井堂」
◆お問い合わせ
■宗形真紀子
munakatamaki@gmail.com
twitter@munakatamaki
facebook
ブログ宗形真紀子のblog
新聞・雑誌インタビュー(上祐以外)
『中外日報』(広末晃敏)
こちらの記事をご覧下さい。
「女性セブン」(宗形真紀子)
2012年06月17日
現在発売中の「女性セブン」(6/28号・小学館)josei7.com/topics.htmlに、
宗形真紀子のコメントが掲載されました。
オウム真理教元・女性信者たちの告白
という特集でした。
オウム真理教時代に実際に行われていた修行と称した麻原の女性支配や、
麻原の愛人で、子をもうけた一番弟子・最高幹部だった女性が、
精神の病に陥った顛末、
同じく、「正悟師」という最高幹部だった女性の、脳出血で倒れた現在など、
知っていることをお話しました。
オウム真理教の女性幹部は、幸せになどなっていません。
この現実が、麻原の修行が間違っていることの
大きな証明だと考えています。
このような人生を、歩む人が出てほしくないと心より願っています。
以下のページにコメントの一部が掲載されています。
newsポストセブン
news-postseven.com/archives/20120...
『サンデー毎日』(宗形真紀子)
2012年06月12日
昨日6/12発売の「サンデー毎日」6月24日号(毎日新聞社)に、宗形真紀子のコメントが掲載されました。
「逃亡17年偽りと狂気の深層」
事件から17年。
列島を震撼させたオウム事件は最終局面に向けて大きく動き出した。
として組まれた特集の中で、
「ひかりの輪」女性幹部が明かす2人のオウム信者時代
として、コメントを織り交ぜた記事が掲載されています。
89年に出家した宗形は、高橋克也容疑者や菊地直子容疑者とも一緒の時を過ごしています。
彼らの性格や見聞きしたことなど、知っていることをお話しさせていただきました。
ぜひご覧ください。
信濃毎日新聞(宗形真紀子)
2011年06月27日
本日、松本サリン事件から17年目にあたり、ひかりの輪では、謹んで事件の犠牲者の皆さまのご冥福、被害を受けられた方々のご回復をお祈り申し上げ、被害者の方々への賠償寄付を募る慰霊行事を行わせていただく予定となっております。
先日25日までには、長野県小諸市にある長野連絡所にて、信濃毎日新聞の取材を宗形真紀子広報副部長がお受けし、昨日26日に信濃毎日新聞の記事が掲載されました。
松本サリン「賠償続ける」
オウム元信者らの「ひかりの輪」
事件からあすで17年 小諸の施設で活動説明
などの見出しで、社会面の紙面半分以上にわたる大きな記事として掲載されました。
取材の中でお答えした、松本サリン事件については、「邪魔するものを排除するという幼稚な動機だった。人としてやってはいけないことだった」、松本死刑囚については、「当時は信じて従っていたが、今になってみると親や社会に対する恨みを宗教を使って晴らしていたのだと思う」などの内容が掲載されています。
また、ひかりの輪の現状や活動、被害者賠償の状況、ひかりの輪を立ち上げた目的などについても取材内容が掲載されております。
今後も、被害者の皆さまへの賠償金のお支払いを継続していくとともに、その教訓を心に刻み、いまだに松本死刑囚への個人崇拝を続ける者たちに対する脱却支援などを通じて、少しでも社会への償いに努めさせていただきたいと考えております。
『紙の爆弾』鈴木邦男×広末晃敏
『紙の爆弾』鹿砦社2010年10月号
ニッポン越境問答 鈴木邦男
第3回 広末晃敏(元オウム真理教信者/ひかりの輪副代表)
今回のゲストは、元オウム真理教信者で現在は「ひかりの輪」副代表の広末さんです。対談の前にご説明しますと、かつてのオウム真理教は現在二つに分かれています。
「Aleph(アー レフ)」と「ひかりの輪」ですが、このうち、かつてのオウムの教義をそのまま引継ぎ、麻原影晃を頂点とし、一連の事件はオウムが起こしたものではなく、陰 謀である、と捉えているのがアーレフで、そうではなく、麻原も間違いを犯したのだと捉え、オウムを母体とした新たな教団が、上祐史浩を代表とするひかりの 輪。ざっくり言うと、これでいいですよね?
ひろすえあきとし 1969年生まれ。1989年、天皇崩御に際 し、あまりのショックからオウム真理教(現アーレフ)に入信、出家信者となる。当時から鈴木邦夫を愛読する右翼青年だったという。出家後は、主に広報部・ 出版部で「奉仕活動」を中心に活動。2007年、上祐史浩らとともに、アーレフを脱退、新教団「ひかりの輪」を設立。オウム事件の被害者救済・賠償支払い などに応じる。
広末はい。加えて、事件の被害者賠償に応じているのもひかりの輪のほうです。
鈴木ひかりの輪のホームページを見ると、広末さんの入信の経緯と、事件を経て現在に至るまでの出来事や心境の変化が載っているよね。これによれば、九九年、上祐さんが出所してくるまでの一時期は、広末さんもずっと、事件は陰謀だと考えていたということだけど・・・。
広末そうです。ずっと陰謀だと思っていました。そもそもすべての殺生を禁じ、蚊も殺すなって教えているのに人間なんて殺すわけない。だから陰謀だとしか。
鈴木だって、テレビとか新聞とか見たらおかしいって思うでしょ。
広末出家しますとね、テレビとか新聞とかは一切見てはいけない、外部との接触も一切断ちます。もちろんおかしいと思う気持ちはありましたが、自分がいったん は、合理的に納得いくもの、良いものとして受けとめ、全幅の信頼を寄せた以上、たとえそれが今の自分に理解し難かったとしても、それは自分に理解力が足り ないからで、いずれわかる時が来るのだと考え、無理矢理自分を納得させていました。
鈴木みんなそうだったのかしら?
広末みんなではないです。ほとんどの人は教団から離れましたから。十人中、八、九人は離れたんじゃないかな。
鈴木広末さんは離れなかったんだ。
広末はい。教団が正しいのだと自分に言い聞かせて、麻原が説いていた一九九九年の世界終末を待っていました。でも九九年には特に何も起こらなくて、起きたのは 教団に対する新しい規正法(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律)の制定、つまり、破局は世界にではなくて、教団に訪れたのでした(笑)。
鈴木それで信仰が崩れた?
広末加えて上祐が出所してきて、事件の真相を話しだしたんです。事件は麻原以下、オウムが引き起こしたものだと。そして皆の意識改革を始めたんです。意識改革 といっても、当時はまだそんなスゴイことじゃなくて、教団で麻原の本を読めなくさせたりして、個人崇拝色を払拭せたくらいですけど、これに激怒したのが麻 原の家族、松本一族でした。上祐を魔境と決めつけ許さず、幽閉して迫害しだしたんです。
鈴木迫害?
広末まあ、イジメですね。上祐だけでなく、上祐に与した者も同じようにイジメにあいました。それで私も気づいたんです、これはやはりおかしいと。考えの違う他者を迫害することのおかしさを。
鈴木それでアーレフをでた。
広末はい。上祐を代表として教団を作ることになりました。ひかりの輪です。
ホーリーネームは"文章によって解脱する者"
--ひかりの輪設立当事に聞いた女性信者の言葉が印象的でした。「みんな本当はうすうすはわかっている、でも自分を変えるのは面倒くさい。麻原が正しいって思ってこのまますごすほうが楽」。
広末事件以後、教団を離れた人もいますが、仕事も何も捨てて多額の寄付をして出家した人や、家族と絶縁状態にある人、出家してもう何十年も立っちゃうと、戻るに戻れない。社会復帰も難しい。もうここで生きていくしかないというのがホンネという人もたくさんいました。
鈴木新しいことをするより、そのまま流されているほうが楽?広末さんは、上祐さんの出所を経て、オウムは間違っていたと思うようになったわけでしょう。その時点でやめようとは思わなかったの?新教団設立なんてせずに、やめればいいじゃない。
広末やめるわけにはいかないですよ。だって、こうなってしまったからには同義的責任があるじゃないですか、被害者はもちろん、信者に対しても、です。私はオウ ム時代、広報部におりまして、坂本弁護士を殺害したのはオウムではない、麻原に帰依せよって内容のオウム本も書いていました。青山弁護士の「真理の弁護士 が頑張るぞ」って本のゴーストライターしたのも私です。そんなわけで私の書いたものを見て信者になった人、実はたくさんいるんですよ。
でもね、私も本当にそう信じ込んでいたし、サリンのことも一連の事件もまったく知らなかったんです。報道を見たときは寝耳に水でした。とはいえ間違ったことを書いて煽動していた以上、責任とっていかなくちゃならないでしょう。
鈴木オウムで物書き。そんなことしていたんだ。
広末はい。出家後、麻原が私にくれたホーリーネームが"ラフチッタヴィナヤパデーナムッタ"、ってこれ、サンスクリット語なんですけど、軽薄な心を除去し、文章によって解脱する者、っていう意味なんです。
鈴木麻原ってサンスクリット語に堪能なの?
広末いえ、側近でね、詳しい人がいて、麻原が内容を伝えて彼がサンスクリット語に訳すんです。
鈴木麻原にはそういう才があるんだ。人を見通して、その人の良さを引き出してあげるようなそんな才。
オウムという失敗を経て
鈴木ところで、ひかりの輪は被害者賠償に応じているけれど、あんな莫大な金額、どうやって支払うの?
広末会員の寄付です。スタッフであれば、バイトして。元オウム・現ひかりの輪の出家者に正社員の職なんてないですから。こうした寄付金で返済しています。でも何億って金額なので、全額返済は遠いですが。とはいえ、自分達のした悪行を償うのが仏教の教えでもありますから。
でも悪いことばかりではないのです。オウムという失敗を経てこそ、学ぶことができたこともたくさんあります。いい御縁もあり、不思議な縁を感じることもたくさんありました。
た とえば、松本サリン冤罪事件の河野義行さんと初めて会ったとき、河野さんが言ったんです、「あなたがたが事件に関与したわけじゃないんだから、不当な弾圧 には頑張りなさいね」って。これを言われたときは、本当に自分たちが恥ずかしくなったし、「ともかく責任だけはきちんと果たさないと」と思いました。今で も河野さんさ、団体への賠償請求はしていないと聞いています。
鈴木いい人だね、河野さん。
広末はい。親鸞が説いた仏教の言葉で「悪人正機」というのがあるんです。これは、自分のことを「自力では到底救われないほどの悪人だ」という自覚を得た人の方 が、阿弥陀仏の救いに近いという意味。オウムと自分の悪事に気づき挫折感のどん底にあって、どうしようもなかったとき、仏をみたような気がして、私も少し その意味がわかった感じがしました。
鈴木とはいえオウムについては国家賠償もあるでしょう、しかも広末さんたりは実行犯ではないし。そんなに自分たちを追い詰めなくてもいいと思わない?
広末そうは思わないです。被害者の方々を苦しめた分、私たちも苦しまなくてはならないと思いますから。それに・・・・一連の事件は麻原ひとりのせいじゃないというか、信者が麻原を作っていったという面も否めないと思うのです。
鈴木信者が麻原を作った?
カラシニコフも自分たちで作りました
鈴木信者たちが、世界の終末を待望していて、それを叶えるために、麻原が事件を起こしたとか、そういうことかな?
広末それもそうですし、何か目には見えない力を感じることが多かったんです。たとえば私は二・二六事件にものすごく魅かれていたんです、これは小学生のころか らで、事件を引き起こして乱れた世を変えたいと思った人たちに深く共感し、その場に生きていたら自分もそうしただろうと思っていました。
そした ら、九六年ごろでしたか、サリンで逮捕された早川紀代秀が「事件は二・二六事件をモデルに引き起こした」という供述をしたという記事を見たんです。そのと きすごい衝撃を受けました。ああ、実は麻原に私の心が通じていたのかなと。つながりをみたんです。そういう不思議なつながりを感じたことはほかにもありま した。
鈴木うーん・・・。ところで当事のことを聞きたいな。事件後の教団のこと。広末さんは、オウムではいかなる殺生も禁じていると言ったじゃない。でもなんで人を殺害するのが許されるの?その辺の矛盾は思う?
広末はい、それなんですけど、私も最初は矛盾していると思いましたが、ポアいうのはね、より高い世界に送ってあげるっていう意味なんです。つまりこの人はこのままでは地獄に堕ちてしまうから、今殺害してあげることで、その人をより高い次元に送ってあげる、それがポア。
鈴木ではサリンで無辜の人を死に追いやったことは、どう説明するの?
広末多分、それをした人たちの、(当事の)理屈からすれば、巻き込まれた人も、何か悪事のカルマによってそうなったのだろう、だから許されるのだという理屈な のだと思います。でも、私も、事件のことはまったく知らず、これは私の憶測であり、ひかりの輪も、そんなこと、まったく思ってないし、決して許される理屈 でないと思っています。
鈴木上九一色村の施設に初めてテレビカメラが入ったときの広報担当も広末さんなんだよね。
広末はい、そうです。これが第7サティアンですって案内してまして、そこに大きな仏像が置いてあるんですけど、実はその背後にサリンプラントがあったんです。僕も全然しらなかった。・・・オウムってね、サリンも自分たちで作ったようすべて自前でやるのが原則なんです。
鈴木と言うと?
広末教団の施設も自分たちで設計して、資金も自分たちで用立てし、自分達で建設します。サリンも自前、武器も自分たちで作りました。自動小銃もね、1000丁つくろうということで、カラシニコフを1個輸入、それを元に、自分たちで作ったんです。
鈴木エー!1000丁作ったの?
広末さすがに1000はできませんでしたが、モデルで1個つくりましたよ。事件のあとね、サティアンに公安が入った時、感心していました。「あんたたち、よくこんなの作ったね」と。
出家信者の真相に迫る!
--ところで、ここで出家信者達の生活に迫りたいと思います。出家の人は、今、千歳烏山や全国の施設で全寮生活していますよね。どんな生活なんですか?
広末特に明確にこれをせよとかいうのはないですよ。単に共同生活をしながら在家信者の指導をしたりしています。お布施や寮費、賠償金をはらわなくてはならない ので、各々働いて、といってもほとんどがフリーターですが、残りの時間が修行です。修行は瞑想とか、色々です。オウムのころはヴァジラヤーナって、自分を 痛めつける修行もありました。自分の体を棒で打ち、耐える修行です。今はしていませんが。修行は各々の自主性に任されています。
鈴木修行しないと無官地獄に陥るとか?(笑)
広末オウムではそういう教義もありましたが、死後のこととか、生まれ変わり、前世のことについては、ひかりの輪では、それはわたしたちにはわからないこと、と捉えています。あるのかもそれないし、ないのかもしれない。
鈴木酒もタバコも女もやらないんでしょう。
広末はい、そうです。出家者は結婚してはいけないです。
鈴木お寺のお坊さん、結婚しているじゃない。
広末日本の仏教は本来の仏教戒律に反して妻帯しています、だからいい加減で嫌だったんです、日本の仏教は。タイとかスリランカとか、あちらの仏教はもっと真面 目で純粋です。だから私は魅かれたんです。私、大学は仏教大学でした。お寺の跡取りとかがくるんですけど、みんないい加減。そのころ、オウム真理教を知 り、皆、仏教に真面目に取り組み、禁欲を貫いていることにも感銘を受けました。そんなところに魅かれ入信したんです。
鈴木でも麻原は結婚しているじゃない。しかも複数(笑)。
広末麻原は厳密には出家じゃないんです。彼は在家信者なんです。在家は独身でなくてもいいですから。
鈴木うーん・・・。ところで広末さん自身は41歳で童貞なんだよね。童貞捨てたいって思ったことないの?そういう衝動に駆られたりってあるでしょう。
広末ええ、それは、まあ、ないわけじゃないですが・・・。今はそれよりも、やらなければならないこともありますので。
鈴木今度ぜひその辺の話を聞かせてくださいよ。オフレコにしますから。
(『月刊 紙の爆弾』鹿砦社2010年11月号より ※転載許可済)藤倉善郎氏による(広末晃敏)
2011年01月18日
ひかりの輪副代表・広末晃敏氏インタビュー
ひかりの輪設立の主目的は「オウム問題の解決」です
(フリーライター・藤倉善郎氏・2009年7月)
「脱・麻原」を掲げた上祐史浩氏がアーレフ内で孤立したのが03年。
その翌年、上祐氏を中心とする代表派は団体を離れ、ひかりの輪を設立した。
どのような活動をしているのか、副代表の広末氏に聞いた。
ひかりの輪には現在、専従スタッフ45人、約120人の会員がいます。オウム真理教時代(99年以前)からの会員が殆どで、サリン事件前からの会員は7割ほどでしょうか。
アレフとの最大の違いは、ひかりの輪は麻原氏の過ちを認めて一連の事件を反省するとともに、麻原崇拝をやめ、麻原教材も全廃し、主に仏教を基本にした信仰に立ち返ったことです。
アレフも対外的には反省していると表明していますが、内面では認めていない。私がまだアレフにいた頃、仲間内での会話では「事件は(確かに麻原が起こしたものだが)何か信仰上の意味があってのことだったのではないか」と語る信者もいました。
私たちがひかりの輪を設立した主な目的は、「オウム問題の解決」です。
あのような団体が二度と生まれないよう、世界中の宗教テロ問題も含めて考えていきたい。
今もアレフにいる信者達に改心してもらうため個別に働きかける部署もひかりの輪内に設置しました。
今 年(2009年)、オウム真理教の破産手続きが終結しましたが、引き続き破産届けをしたオウム事件のすべての被害者の方に賠償をしていく契約を結ぶための 交渉をしています。
しかし完済のめどは立っていません。
まだ推定ですが最低でも破産債権者への未払い額が15.16億円残っており、ひかりの輪はこれまで 年間800万円ほど返済してきましたが、このペースでは数百年かかる。
団体に社会的信頼がないので事業も起こせず、現在の資金源は全国支部におけるヨーガ・瞑想指導や神社仏閣巡礼ツアーで在家会員たちが支払う参加料金、そして出家会員らによる外部就労(バイト)で資金を稼いでいる状況です。『EX大衆』(広末晃敏)
2009年7月
特集「15年目のオウム真理教 いまだ見えぬ最終解決」2009年7月発売の月刊誌『EX大衆』(双葉社)で、「15年目のオウム真理教 いまだ見えぬ最終解決」という特集が組まれました。
記事は、1994年以降のオウム教団を振り返ったもので、数々の事件を経た後、麻原氏への個人崇拝を否定してオウムから離脱したメンバーが「ひかりの輪」 を結成したこと、「ひかりの輪」は事件被害者への賠償意思を示しているが、一方のAleph(アレフ)はその意思を示していない等の現状がレポートされて います。
さらに、広末副代表がインタビューに応じ、「ひかりの輪」設立の主目的は「オウム問題の解決」であること、そのために世界の宗教テロ問題について考えていくこと、Aleph信者へ改心を求める働きかけをしていくこと、被害者賠償に励んでいくこと等を述べています。