指導員紹介
「ひかりの輪」の指導員のご紹介です。

各部門の指導員

田渕智子/千葉支部、教材制作部長



        今回は教材制作の担当者をご紹介します。 
教材制作とは新団体「ひかりの輪」関係のDVDやCD、書籍などを制作している部門です。

田渕は人生に苦悩を感じ、ユング心理学をきっかけにオウム真理教に入信、出家しました。
事件については、何も知らずショックを受けましたが、自分の心の現われとして反省し、謝罪していくこと、そして二度とまちがいを起こさない思想を見出そうとしています。


◎ユングと修行

私は、中学生のころから、
人は何のために生きているのかと悩むことが多くなりました。 
学校へ通って勉強することにも疑問がありました。
何のために勉強するのか。
誰に聞いても明確な答えはでませんでした。
人間関係の悩みも多くなり、
生きていることが苦しみだと感じるようになりました。

宗教にも興味をもちましたが、宗教にはやはり偏見がありました。
もっとアカデミックな心理学を勉強すれば自分の苦しみの原因がわかり、
幸福になれるかも知れないという気持ちから、
大学では心理学を専攻しました。

心理学にもいろいろなタイプの学派がありましたが、
私が一番惹かれたのはユング心理学でした。
精神的な危機状態になったときに、
ユングを勉強することによって立ち直ったという経験があったからです。
他の学派はどこか本質的でない気がして、
生きる目的とは何かに答えてくれるものではなかったように思います。

ユング心理学によって私は、
人間の生きる目的は自己実現にあるということを知りました。
自己実現という訳語は本来の源語、
「セルフリアライゼーション」の意味とは多少違うように思います。
覚醒とか悟りが本来の意味に近いと思われます。

大学の教授が授業で、
「昔、自分の先生にユングのいう自己実現を
実際に体験するにはどうしたりいいかと聞くと、
ヨガでもやるしかないと言われた」
という話をされ、
それが妙に心に残り、ヨガには何かがあると思いました。
そして、それを実際体験するにはヨガをやるしかないという言葉は、
私の脳裏に焼きついたのです。

OLになってからも、
ユングクラブや心理療法関係のセミナーや講演会には顔をだしていました。
セラピストになりたいという気持ちもありましたが、
ある日書店でオウムの本に出会い、
ヨガとか解脱、悟りという言葉を目にしたのです。
これだと思いました。
ここで修行すれば解脱、悟りが得られる、
人間の生きている本来の目的に向かえると思いました。

しかし、宗教というのには若干抵抗がありました。
新興宗教にだまされるのではないかという不安もありました。
そこで、トランスパーソナル心理学関係の本を読むと、
修行とか、悟り、解脱というのが、
やはり人間の生きる目的であるということが書いてあり、
オウムの修行は心理学的にも正しいと思ったのです。

オウムに入信し、ほどなく出家しました。
やっと自分の求めていた生き方に出会ったという気持ちでした。
目も前の楽しみや喜びを追いかけてもなぜか虚しい日々が、
一転して生きがいのある日々に変わりました。
出家修行はきびしかったのですが、
それでもやりがいはあり、
自分がどんどん変わっていくのがわかりました。
心が解放され、クンダリニーが覚醒し、霊的にも進化していきました。
この霊的な世界は、心理学の世界では、
トランスパーソナル心理学くらいでしか取り上げていない世界です。

◎突然の事件

私は主に、道場活動や出版部門での仕事をしていました。
ですから、教団の裏の活動はほとんど知りませんでした。
ところがある日突然、
地下鉄サリン事件が起き、強制捜査が入り、
次々と教団の裏の活動が大きな社会問題となってきました。
自分では教団がやったのではないと信じていました。
しかし、裁判などで事実があきらかになるにつれ、
教団がやったのだとわかったときは大きなショックを受けました。

しかし、それまで培ってきたグルイズムはそう簡単には払拭できず、
これには何か意味があって、
いつかはグルは帰ってきてくれるのではないか、
という気持ちがどこかにあったのです。
10年近くたって、ようやくその呪縛から抜け出せる転機がきました。

奇しくもそれは教団の分裂でした。
グルイズムによって社会と壁をつくり、
利他の実践からどんどん遠ざかっていくのがわかり、
修行の本来の目的からずれていってしまっていることに気づきました。
グルイズムがひとつの手段であって、
目的ではないと知ったときはショックでしたが、
そのとおりだと思います。
一元に至るための道はたくさんあり、 
そのひとつの道にすぎず、
それがすべてだと思っていた者は、
他の道が見えなくなるのです。

また、事件に関しても、仏教的見地からすれば、
すべては心の現れであり、カルマであり、
自分の心の要素が現象化したものであるから、
自分のこととして反省し、
謝罪、賠償をしていかなくてはいかないと思いました。

◎集団のカルマ

心の要素が現象化するというのはユング心理学でもいえることで、
非常にわかりやすい例があります。
ユングは精神科医であり、夢分析を主に行っていました。

ユングは第2次世界大戦がはじまる前の十年間、
ドイツ人の精神病患者の夢が、
「ラグナロック」という、
神々のたそがれに関する北欧神話の要素を、
たくさん満たしていると感じていました。
ラグナロックは北欧神話で、
世界の終末における神々と巨人族の壮絶な戦いでは、
神々も滅びるという内容です。

ユングはドイツ人患者の夢を分析して、
ゲルマン民族の集合的な魂の中に、
この元型が浮上しつつあるという結論をくだしたのです。
そしてこれは大きな世界的破局を呼び、
最終的にはドイツ人の自己破壊に終わるだろうと予言しました。
わかりやすく言えば、深い意識の中にある要素が、
意識レベルに現れてきたということです。

ご存知のとおり、
ドイツはヒトラーによって第二次世界大戦に没入し、
大敗してしまいました。
ユングはこの結末をドイツ人患者の夢から判断していたのです。
ユング的にいえば、
これは普遍的無意識の元型が歴史も支配しているといえます。
仏教的にいえば元型とは集団のカルマのようなもので、
この戦争は、
ゲルマン民族の集団のカルマによって起こったといえるでしょう。

この例からわかることは、
この戦争はヒトラーだけが起こしたというわけではなく、
その集団の心の現われとして、
カルマとして起こったのであり、
ヒトラーはドイツ人の心の現われだったということです。

◎償い

私はこれを読んだとき、地下鉄サリン事件などの一連の事件は、
オウムの人すべての心の現われとして起こったのだと思いました。
ですからひとりひとりが自己の心の穢れを懺悔し、
謝罪していかなくてはいけないと思います。

その償いは賠償だけでなく、この失敗をもとに、
二度と同じ過ちを犯さないような思想を
社会に提示していかなくてはいけないと思います。
それが、新団体の役目なのではないかと思います。

人々を救うための宗教が人々を滅ぼしているのが現代ではないでしょうか。
私たちが犯した失敗を反省し、
本来の宗教の目的を満たせるような思想を見出さない限り、
また同じことの繰り返しになると思います。

それは宗教の歴史をみても歴然としています。
どの宗教も自分たちの教えが正しいという盲信から、
戦争を起したりしています。
本末転倒です。

私は教材製作を担当していく予定ですが、
そのような新しい思想を多くの方に示させていただければと思っています。
それがせめてもの罪滅ぼしではないかと思います。


 

◎研究分野

宗教と科学:宗教と科学を融合をめざす

最近の科学は東洋思想に近づいているものが多く、宗教と科学は融合していくのではないかと思われます。トランスパーソナル心理学や量子力学も仏教的な考えに近づいてきているので、新しい思想を多くの人が納得できるような形にしたいと思っています。
今までの宗教の間違いを正すためにも、科学的な視点からメスをいれることは必要であり、争いのない、真に人類の幸福のためになるような思想を打ち立てることを目的としています。

また、教材製作という部署がら、聖地、歴史と宗教、音楽、聖音、行法など幅広い分野に渡って首をつっこんでいます。

◎オウムの総括

田淵智子個人の、オウムの総括文書は、
オウムの教訓サイト
『オウム・アーレフの総括と反省』で、ご覧いただけます。



◎経歴

1960年生まれ。   大学では心理学を専攻 ユングに傾倒
1988年オウムに入信
1988年出家。主に出版関係の仕事に従事する。
2007年3月 アーレフ脱会 現在に至る

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